当社は、冬場の天然芝育成をサポートする新製品「天然芝養生シート」を開発し、このたび、プロサッカーチームの練習場で採用されました。本製品は、保温・透湿・採光という3つの機能を兼ね備え、寒冷期における芝生の生育を強力にサポートするものです。
■開発の背景
地元のサッカーチームであるファジアーノ岡山から、冬場の天然芝を霜や低温から守り、生育を促進する方法について相談を受けたことがきっかけでした。
同チーム、天然芝の維持管理を行う東洋グリーン株式会社との三者で共同開発を進め、当社が長年培ってきた「製糸」「織布」「ラミネート」「シート加工」の技術を活用し、製品化に成功しました。

(左側が敷設後のシート。右側は未敷設の天然芝)
■製品の特徴
保温性:霜や冷気から芝を守り、冬場の育成をサポート
透湿性:適度な湿度を保ちつつ、蒸気を拡散
採光性:日光をしっかり通し、芝の光合成を促進
さらに、ラミネート加工を網目状にすることで、水の浸透性を確保。散水が可能で、芝の健全な育成に必要な条件を満たしました。網目状ラミネートにより軽量化も実現し、施工性が向上しています。
■開発のポイント
従来のブルーシートは全面ラミネートによる防水加工が特徴でしたが、天然芝養生には「日光と水を通す」一方で「霜を防ぐ」という相反する要件が必要でした。
そこで、ラミネート時に発泡剤を混ぜることで樹脂を斑状にコーティングする技術を開発。これにより、保温・透湿・採光・透水を同時に実現しました。さらに、施工時の引っ張りや風によるはためきに耐えられる強度も確保しています。
■今後の展望
本製品は、Jリーグホームスタジアム・練習場及びスポーツ施設や公園など、天然芝が敷設された様々な現場での活用を見込んでいます。当社は今後も、現場の声を反映した製品開発を通じて、快適な環境づくりに貢献してまいります。